River Analysis System

HEC-RASで河川水理・2D氾濫解析を行う

HEC-RASは、1次元定常流、1D/2D不定流、2D氾濫、河床変動、水温・水質、雨水管路ネットワークなどを扱う水理解析ソフトです。日本の実務では、河川水位計算、浸水想定、破堤氾濫、河道改修効果検討に使いやすいアプリです。

HEC-RAS 2D氾濫解析の概念図

Official manuals

先に確認したいHEC-RAS公式資料

2D氾濫解析では、操作マニュアルだけでなく、2D User's Manual、RAS Mapper、Hydraulic Referenceを分けて確認します。

総合ドキュメント

HEC-RAS Documentation Home Page

Web / current

最初に見る入口。User Manual、2D User Manual、Mapper、Hydraulic Reference、Sediment、Known Issuesへ進めます。

操作マニュアル

HEC-RAS User’s Manual

Version 6.6 PDF

プロジェクト作成、Geometry、Flow Data、Plan、計算実行、結果確認などの基本操作。

2D解析マニュアル

HEC-RAS 2D User’s Manual

Version 6.6 PDF

2D Flow Area、計算メッシュ、breakline、2D境界条件、降雨・浸透、2D結果確認。

GIS・地形処理

HEC-RAS Mapper User’s Manual

Version 6.6 PDF

Terrain作成、土地利用・粗度、地図表示、結果の浸水深・流速・水面標高の可視化。

Local manuals

本サイト内のHEC-RAS実務マニュアル

公式資料へ進む前の日本語導入として、1D解析と2D解析を別ページで詳しく整理しています。

HEC-RAS 1D

1次元解析マニュアル

河川断面、Manning粗度、境界条件、定常流、不定流、橋梁・カルバート、較正、成果整理を図入りで解説します。

1D解析マニュアル
HEC-RAS 2D

2次元解析マニュアル

Terrain、2D Flow Area、計算メッシュ、breakline、粗度、境界条件、1D/2D結合、安定性、RAS Mapper成果出力を詳しく整理します。

2D解析マニュアル

Capabilities

HEC-RASでできる主な解析

河道を1D、氾濫原を2D、または全体を2Dで扱うなど、目的に合わせてモデル化できます。

1D

定常流・不定流計算

横断測量断面、粗度係数、流量・水位境界条件を使い、河川水位や流下能力を検討します。

2D

平面2次元氾濫解析

DEMと2Dメッシュを用いて、浸水深、流速、流向、到達時間、水面標高を計算します。

1D/2D

河道・氾濫原の結合

河道は1Dで効率的に、氾濫原は2Dで面的に表現し、堤防越流や横流入を扱います。

構造物

橋梁・カルバート・堤防

橋梁、樋門、カルバート、堰、堤防、道路盛土などを条件として反映します。

移動床

土砂輸送・河床変動

河床材料や流砂量式を設定し、洗掘・堆積などの移動床解析へ拡張できます。

成果図

RAS Mapperで可視化

計算結果を地図上で確認し、浸水範囲、浸水深、流速、水面標高をGIS用に出力します。

Input data

必要な入力データ

2D氾濫解析では、地形データの品質とbreakline設計が計算精度に大きく影響します。

分類データ例ポイント
地形DEM、LP、河道断面、堤防天端、道路盛土平面直角座標系など投影座標系で統一します。
河道中心線、横断線、粗度、橋梁・樋門1Dモデルでは横断測量の品質が重要です。
2Dメッシュ2D Flow Area、Cell Size、Breaklines堤防・道路・河道・水路沿いにbreaklineを入れます。
境界条件上流流量、下流水位、雨量、横流入HEC-HMSからDSS経由で流量を渡す構成が有効です。
結果浸水深、流速、到達時間、水面標高GeoTIFFやCSV、GISレイヤとして成果整理します。
Model design

1m DEMをそのまま1mメッシュにしない

1m標高メッシュを使う場合でも、計算メッシュまで1mにすると計算負荷が大きくなります。実務では、堤防、道路、河道、水路などをbreaklineで表現し、氾濫原は5m、10m、20mなど目的に応じたセルサイズにすることが多いです。

局所的な流れや越流部だけ細かくし、遠方の氾濫原は粗めにすることで、安定性と実用性を両立します。

Procedure

2D氾濫解析の基本手順

初期検討では、以下の順番で小さなモデルから検証するのがおすすめです。

  1. 解析目的を決める:水位計算、浸水想定、破堤氾濫、橋梁検討、河床変動など
  2. 地形を準備する:DEM、河道測量、堤防天端、道路盛土、地物線を整理
  3. Terrainと2D Flow Areaを作成し、breaklineで堤防・道路・河道形状を反映
  4. 粗度係数を土地利用・河道条件から設定し、境界条件を入力
  5. 計算時間刻み、計算安定性、出力間隔を調整し、不定流計算を実行
  6. RAS Mapperで浸水深、流速、到達時間、水面標高を確認し、GIS成果に変換

Quality check

計算結果の確認ポイント

浸水図ができても、そのまま成果にするのではなく、必ず水理的な妥当性を確認します。

水位・流量の整合

境界条件の流量、下流水位、計算結果のピーク時刻、総流量、水位縦断を確認します。

地形表現の確認

堤防や道路を水が不自然に横断していないか、breaklineや地形補正の不足を確認します。

計算安定性

時間刻み、Courant条件、計算ログ、急激な水位振動、局所的な異常流速を確認します。

GIS成果

浸水深ランク、流速、到達時間、最大水深、水面標高などを、QGIS/ArcGISで再利用できる形式に整理します。

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